今日の午後は1ヶ月検診をしていましたが、
「祖母・祖父がインフルエンザにちょうど罹患しており、
赤ちゃんにも感染していないか心配だ」
という質問を母より受けました。
おりしも世間ではインフルエンザが流行中ですからね。
こうした質問が出てくるのも当然です。
因みに今回1ヶ月検診で受診したこの赤ちゃんは、
とても元気で体重も順調に増えており、
感染を疑わせる症状などもないので様子見。
一般論として、
生後1ヶ月の赤ちゃんはインフルエンザにかかるのか?
治療としてタミフルは使うのか?
について記載します。
生後1ヶ月の赤ちゃんはインフルエンザにかかるのか?
結論から言えば、
「かかることもある」
になります。
赤ちゃんはそもそも生後6か月ぐらいまでは
感染症には罹患しにくいのですが、
これはお母さんから赤ちゃんへ、
胎盤と初乳を介して抗体が移行してできる
受動免疫のおかげです。
ただし、「罹患しにくい」というだけで、
全く感染症に罹患しないわけではありません。
インフルエンザにも、かかることはあります。
それでも受動免疫のおかげで、
重症化することもあまり多くはありません。
症状が軽く1日で解熱した、というのはよく聞く話です。
インフルエンザの予防接種は生後6カ月未満は接種不可。
もっとも、1歳未満のインフルエンザワクチン接種については、
ここ数年のデータではほぼ、というより全く効果が無い、
と言われており、私も1歳未満の接種については、
こちらからは勧めることはありません。
家族がワクチンを受ける、手洗いやうがいなどを徹底することで
予防するしかありません。
生後1ヶ月の赤ちゃんにタミフルを使用するのか?
少し前までであれば、1才未満の子どもへのタミフルなどの抗インフルエンザ薬の使用は、
医者によって見解が異なっていたと思いますし、現状もそうは変わってはいないと
思いますが、一つここ数年で大きな変化がありました。
厚生労働省は2016年11月24日、タミフルについて、
新生児と乳児への用法用量を追加し、
保険適用の対象としました。
新生児と乳児(生後から1歳未満)に対し、
3mg/kgを1日2回5日間、経口投与します。
これにより、生後1ヶ月の赤ちゃんにも、
タミフルが処方されている例は増えているものと
思われます。
結局は診察した医師の判断にはなりますが、
保険適用対象となったことは大きいと
考えます。

以上になりますが、
今日の一番のオチは、
そのインフルエンザに罹患したという祖母が、
母親の付き添いで一緒に来院していることでした。
なんと、解熱したのがまさかの今朝。
感染源となるリスクがあるため、
速攻で隔離室行きとなりました。
常識的に考えて、、、
は通じない場合がありますね。
ただでさえインフルエンザ流行しているというのに・・・