2018年11月16日、木曜日。
日々の診療メモ。
1.低ホスファターゼ症(hypophosphatasia)と酵素補充療法(ストレンジック)
少し前になるが、
アレクシオンファーマ合同会社のMRさんが面会に。
低ホスファターゼ症という疾患の周知のために。
・アルカリフォスファターゼの異常
・10万人に1人
・未診断の軽症例を含めるともっと多いと考えられている
・重症度は様々
・常染色体劣性遺伝、一部常染色体優性遺伝
・現在は酵素補充療法(ストレンジック)がある
「低ホスファターゼ症の会」というホームページに
以下のアニメ動画が掲載されていました。
疾患を簡潔にまとめています。
この動画では、
「まだ治療法はない」
とされていますが、この動画が公開されたのは2013年。
ストレンジックが世界に先駆けて日本で承認されたのが2015年。
※発売日は2015年8月31日
現在は治療法がある。
治療法があるのであれば、稀な疾患であっても知識を持っておくことは必要。
生後1ヶ月未満で、ALPが400未満の症例は気を付けるべし。
2.脊髄性筋萎縮(spinal muscular atrophy)とスピンラザ
脊髄性筋萎縮症は、
SMNタンパク欠乏により、下位運動ニューロンが変性し、
四肢や体幹の筋萎縮をもたらす常染色体劣性遺伝の神経筋疾患。
2017年9月より、
「スピンラザ髄注12mg」が使用可。
患者及びその両親にとっては、
希望の薬だと思う。
しかし、
薬価:932万424円(4ヵ月毎、年3回投与における年間薬剤費は2,796万1,272円)
には正直絶句してしまう・・・