ベーチェット病(Behchet’s Disease)の原因仮説「遺伝的素因+感染→免疫系の異常活性化」

2018年12月3日月曜日の日常診療メモ。

最近、母体がベーチェット病という児が出生。

ベーチェット病は、

①口腔粘膜のアフタ性潰瘍
②外陰部潰瘍
③皮膚症状
④眼症状

の4つの症状を主症状とする慢性再発性の
全身性炎症疾患。

今回の母親は腸管ベーチェットと言われ、
腸管に潰瘍が出来て手術の既往がある。

現在はプレドニンを少量内服しているものの、
症状は落ちついているようだ。

ベビー胎児期の異常は指摘されず、
元気に出生した。

※妊娠中のステロイド内服は、胎児の体重増加不全、
口蓋裂の発症リスク増、などの原因となるが、
今回の児については、何ら症状無し。

ベーチェット病の原因は?遺伝するのか?

ベーチェット病の原因は不明

仮説としては、

遺伝的素因+感染→免疫系の異常活性化

により引き起こされる、というものが有力視されている。
HLA-B51が重要視される一方、環境因子も重要なファクターのようだ。

現時点では原因は不明、
ということなので、児に遺伝するのか?
については回答しようがない。

遺伝的素因が影響するのであれば、
「遺伝はしない」とも言い切れないし、
環境因子が重要なファクターだとするならば、
発症リスクを下げることはできるのかもしれない。

いずれにしても、発症するのは男性・女性とも、
20代から40代にかけてが多いようで、
出生後に何かしらのフォローを必要とすることは
ないと考えて良いだろう。

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